わらじ記念日

草鞋(わらじ)づくりを極めたいと思った、わらじ記念日。
昨年の今ごろは、恵比寿の店じまいに向けて大忙しな日々を送っていて、その最中に小川町の物件への引っ越しをしました。小川町民となってからちょうど1周年にあたる日に、草鞋(わらじ)編み、正確には「わら草履(ぞうり)」編みですが…を初めて体験しました。
なんだこれは!
楽しすぎる!!
接着剤なんてひとつも使わず、稲わらが丈夫な履き物へと変化していくんです。コブ結びすらしなかったです。…確か。
最後に草履を「締め」て、小判型に出来上がる瞬間は本当に感動しました。
これ、最初に考えた人天才かな?

きっかけは、小川町内のとあるお店にランチをしに行った時のこと。
たまたま居合わせたお客さんが「わらじを編む会」をやりたいと話していたのを聞いて、「私も参加したい!」とLINEを交換しました。わらじ編みの先生もその場にいらして、ベテランの農家さんとお見受けしました。
さっそく日程が決まり、一度にたくさんの人数は教えられないとのことから、この日の生徒は2人。ほとんどマンツーマンで2時間ちょっとの贅沢な講座を実施していただけました。
12月も半ばというのにポカポカの縁側に座って、もくもくとわら草履を編むのは、なんと気持ち良いことか。私が憧れていた田舎暮らしは、まさにこれ。草履は通販で探せば数千円で手に入るんだけど、一から作ることで、自分の思いの詰まった特別なものになります。コスパとかタイパとかまったく関係ない世界です。

わら草履を編む工程

稲わらをそのまますぐ編めるわけではありません。たくさんの工程がありました。

稲わらを水に浸し「きね」で柔らかくする前処理

縄を綯う(なう)
手のひらでわらを「よる」のがとても難しい。それから表面をしごいてきれいにします。

わら草履を編む
芯となる縄に、わらを継ぎ足しながら編んでいきます。継ぎ足しがこれまた技がいります。
履いているうちにほつれたりしないよう、重要なコツをいくつも教えていただきました。終盤に鼻緒をつけ、仕上げです。

先生の見事な手さばきに驚いていると、「うまくなろうと思って覚えたってよりも、昔はこれができないと自分の履くものがなかったんだよ~」と。
布を入れて編んだり、竹皮など他の素材で編んだり、縄はビニールひもで代用したりなど、いくらでもアレンジは可能だそうです。
出来上がった草履を履いてみて、自分好みに工夫を加えていけば良いとのこと。

作ることに夢中で残念ながら途中の写真は撮れていないのですが、完成したのがこちら。
左が私の作った半足、右が先生が作ってくれた半足です。
私が作ったといっても、形がいびつになり、途中で先生に修正してもらったりしながら、なんとか形になりました。
今回作ったのは「わら草履」。「草鞋(わらじ)」は、足首を固定するための紐がつくので、構造的にもう少し複雑になるのだと思われます。

わらもいただいて帰ってきたし、思い出しながら練習します。
作り始めてから「そういえば私、去年まで靴売ってたんだっけ…」と思い出しました。履き物にやはり縁があるのか。特別にワクワクする時間となりました。
繰り返し教えを請い、草履編み、その次は草鞋(わらじ)編みを是非マスターしたいと思います!
室内履きの草履もずっと探していたので、編み方を覚えたら布で作ってみたいです。
ちょっと真面目な話になると、私たちは幼少のころから「靴」を履いて単調なアスファルトを歩き、足の多くの機能を失ってきたと考えられます。下駄(げた)、草鞋(わらじ)、草履(ぞうり)といった、鼻緒を有する日本の伝統的な履物は、足の機能改善にひとやく買ってくれます。何より履いていて気持ちが良いです。マイ草履を足になじませていくのが楽しみです。

トップの画像は、作ったばかりのわら草履をリュックに吊る下げて自転車で帰ってきた時の1枚。
我ながらイケてると思いました笑。

帰り道に撮った田園風景。田んぼしかない行田市で育った私には懐かしい風景。

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