締めて良いところ、悪いところ【足と靴編】

靴や衣服で身体を締めることについての話です。
実は昨年から書きかけて途中になっていた記事ですが、最近お客様から良い質問があって、このことを思い出しました。
MBTを選んでいく上でも、重要なポイントになりますので、長くなりますがぜひお読みください。

【足と靴編】

裸足で土の上を生活できるのなら、敢えて足のどこかを締める必要はありません。が、靴を履く以上、足と靴が離れてしまわないように、どこかを締め(留め)ざるを得なくなります。

わかりやすいように、この人に登場してもらいましょう。

↑右足を横(外側)から見た図

↑右足を前から見た図

赤く塗った骨は、立方骨という骨です。(前から見た図では隠れていてわかりにくいです)

足(くるぶしから下)の骨格構造は大変複雑です。片足28個、両足で56個の骨で構成されています。全身に200個強の骨があることを考えると、その中で足の骨の締める割合が多いことがわかります。
ここであまり難しい解剖の話をしても仕方ないので、この先はざっくりいきます。

さて、私たちがMBTのフィッティングをする際、最もお勧めしたい条件が、
☆靴紐があって足首を安定させられるもの。
☆履き口にパッドがあり、足首まわりにフィット感の得られるもの
☆趾(あしゆび)がよく動かせるサイズ
です。

そして、履き方、靴紐の締め方のことをきっちりお伝えしています。
エクササイズ以前にここがとても大事なのです。

MBTを履いたイメージ

かかとの骨をしっかり立ててから、立方骨にかかる黄色のラインのあたりで、靴(MBT)と足を固定してもらいます=靴紐を結びます。
つま先に近い方の紐はあまりきキツキツに締めないようにしています。

この時、皆さんが驚くことがあります。
足の前半分、特にゆびの周りに、ゆとりがある点です。
「こんなに足が泳いでいて、良いんですか?」
とも聞かれます。
この場合に「足が泳ぐ」というのは実は間違いです。黄色のラインで紐を締めずに、靴の中で足が前後or左右に滑っている場合を「足が泳ぐ」というのです。足の動きを制限する靴を長年履いていると、「趾(あしゆび)が自由になる」=「足が泳ぐ」と誤解して、どうしても不安になってしまうことがあります。

また、つま先で蹴る動作の強すぎる人は、歩いた時に
「かかとが浮く」
とおっしゃいます。MBTの考える正しい歩行動作が身に付くと、足が靴の中で前滑りしなくなるので、かかとは浮きにくくなります。とはいえ、厳密に言うとかかとの骨も動くため、上に書いたように、履き口にパッドがあるものでフィットさせたほうが快適というわけです。

ちなみにMBTのサイズ選びは、単なる足長ではなく、小趾の長さとゆびの付け根の幅が基準です。
ですから幅広の方などは、いつもの靴のサイズより大幅にサイズUPすることもあります。

MBTエクササイズで足の内在筋を動かしていくと、ゆび周りに十分なゆとりがなければ、足はおろか、全身がうまく動かないことに気づいてくるのです。

ノーマルシューズの場合、かかと着地→つま先で蹴る、といった単調な2段階歩行になりやすく、足と靴をくまなくフィットさせるのを良しとする傾向にあります。
自分に合ったワイズを選んで、上の写真の青いエリアをしっかり固定するという考えです。
靴の役割がMBTとは異なるので、これも靴によってはあり、となります。

MBTでは、足の安定性と運動性の両方を考えています。
上の青いエリア全体を締めることは、足を弱らせることになりかねません。
履いていて快適なのはもちろんですが、足をよく運動させて、縦アーチと横アーチを取り戻すことが大事。
中でも内側の縦アーチ(土踏まず側です)は、ひときわ重要です。
アーチサポート(インソールで土踏まずを盛り上げること)をしないのは、最適な運動を引き出すためです。

私も含めてですが、日本人は足の骨格構造が崩れている人がほとんどです。


↑こういうMBTも可愛いなー、履きたいなーと思うのですがっ、邪道といえば邪道。(履きこなす方法はまた別途…)

↑まずはこっちですね。
こういうタイプで足首を鍛えて、足裏を鍛えていくことです。
やけにスニーカーを勧めるのは、そういうわけです。

長くなったので、今日はこのへんで。
次回はいよいよ、からだ全体ではどこを締めて良いのか?という本題に入ります。

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