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巻き爪の原因は?


「どうして巻き爪になるんですか?」とよくご質問をいただきます。
これが大事な視点で、矯正や補整だけしても原因に対してアプローチしなければ、いずれ再発してしまうはずです。
巻き爪の原因には諸説ありますが、原因は一つとは限らず、複合的な場合が多いように思います。
また、同時にほかの問題(外反母趾、膝の痛み、腰痛など)も起きていることが多いです。
巻き爪の原因として考えられるものを挙げました。
有力な順に挙げていきますね。

①趾(ゆび)でしっかり地面を踏めていない

これが一番の原因と言って良いと思います。
姿勢、歩き方によるものと思って良いでしょう。具体的にいうと下に書いたような例です。

歩行時の足裏への荷重が、趾までかかっていない
補足:極端な母趾球荷重で、強く蹴っているつもりが母趾球までで荷重が終わってしまい、趾の腹が踏めていないケースが多々あります。
重心がかかと(身体の後方)に寄りすぎている
浮き趾
・かがみ趾 ←力を入れなくても常に趾の関節が曲がっている状態
・寝たきりや極端に歩かない生活様式

末端のことばかりを書きましたが、巻き爪=趾の問題では決してないことは強調しておきます。足のアーチ構造の崩れ、足の機能低下、もっと言うと身体の使い方に何かアンバランスがあるというサインです。

いっぽう、姿勢や歩き方が悪くても巻き爪にならない方もたくさんいます。痛みがないから気づいていないだけの方もいます。むしろ一見すると姿勢も歩行バランスも良いのに、不思議と巻き爪になっている方がいたりします。人間の身体って複雑ですね。

いずれにせよ巻き爪の予防と改善にはエクササイズが欠かせません。詳細は別の投稿でお伝えします。(今動画を作っています)

足底への圧と巻き爪の関係

爪にはもともと自然な丸みがあります。爪床を離れた爪の先端(爪の白い部分)は乾燥が進み、さらに丸くなるような力が働きます。つまり、何もしなければ爪は湾曲能によりある程度巻きながら伸びます
趾が地面をしっかり踏むと、地面からの反力(メカニカルフォース)によって、伸ばされ平らになります。地面から離れている時には、爪は少し丸くなります。このたわんで⇔伸びての繰り返しにより、爪は適度な丸さを保っています。足が地面に着いて離れるたびに、上の画像2枚の状態が繰り返されるイメージです。
趾の着き方が不十分で、地面からの反力が十分得られない状態だと、強く巻いてしまうと考えられます。

裏を返せば、爪があることで地面を強く踏むことができます。
爪を丸ごと剥がしてしまうと、たいへん歩きづらくなるそうです。絶対に体験したくないことですが!

②爪を深く切り込み過ぎている

足の爪はスクエアに近い形でカットするのが正解です。端っこを切り込み過ぎないほうが良いのです。
ところが、お肉ギリギリまで爪切りで切り込んでしまう方がいます。

爪を短く切り過ぎてしまうと、接地時のメカニカルフォースが爪に十分に伝わらなくなってしまいます(①の足模型の図を参照)。結果として爪が平らに伸ばされず、どんどん巻いてしまうことになります。
厳密にいうと巻き爪とは違い、「陥入爪(かんにゅうそう)」と言って、爪の端が皮膚に食い込んで炎症してくるケースもあります。

ここから先は、単体では巻き爪の原因とならないようなものです。
でも、巻き爪と無関係とは言えませんので、( )としておきます。

(③爪の乾燥、栄養不足)

爪自体は死んだ細胞とはいえ、爪を作る爪母という組織や、爪の下の爪床と呼ばれる部分の状態によって、爪の質が変わってきます。爪にもわずかながら水分が含まれ、水分量が著しく低下すると、エッジが巻きやすくなります。
爪の先端が皮膚から浮いた感じになる「剥離」の状態では、よけいに乾燥しやすくなります。爪を皮膚から剥離させないことが巻き爪ケアにおいて大事になってきます。
尿素入りクリームでケアをする、爪下の掃除をやり過ぎない、場合によってはテーピングも有効です。食べ物やサプリによる栄養素補給のメリットは現時点では未知数です。何か良い情報があると良いです。

(④きつい履き物による圧迫)

靴が原因で巻き爪になっている人は、実はそう多くないです。
ハイヒールが原因で外反母趾になる人ばかりではないのと同じです。
ただ、「ハイヒールとか先の狭い履き物をこんなに履かなければ、巻き爪にならなかっただろうな・・・」と思う方も少数ですがいらっしゃいます。靴の圧迫により爪の端が食い込んで炎症し、巻き爪がひどくなっていくケースは十分考えられます。
言うまでもなく、必要なところがきちんとフィットして、趾が自由に動かせる靴を履くのがベストです。


(⑤先天的な身体の特徴)

これは私の個人的な見解で、趾の先端に肉付きがなく薄い人は、巻き爪になりやすい傾向にあるようです。
「巻き爪に遺伝はない」と言い切りたいところですが、実際、親子で同じような足の形をして、同じタイプの巻き爪になっているのを見ることが多々あります。巻き爪になりやすい要素を持っているということだと思います。
変えようのない身体的特徴ってありますよね。骨盤が大きい・小さい、髪の毛が細い・太い、肌色が黒い・白い、などなど。脂肪や筋肉のつき方も、努力で変えられる部分ばかりではなく、生まれ持った個性があるのは当然です。
趾の先端が薄い方へのアドバイスは、なるべく裸足に近い状態で行うスポーツをすることです。薄めのソールの靴で走ったり、トレイルを歩いたり、裸足で行う武術やダンスも良いと思います。人一倍足をよく使うことです。


(⑥骨の変形)

私たちは介入できない特殊なケースです。何らかの理由で爪が剥がれてしまったり、大きく欠けた爪をそのままにしたり、巻き爪や深爪を放置したりすると、爪がなくなっている部分に末節骨(趾の先端の小さな骨)が肥大することがあるそうです。骨棘ができている場合もあります。
末節骨が肥大または変形すると巻き爪が進行し、骨を削る手術をしない限り巻き爪も治らない、といったことになります。


まとめ

ある日突然巻き爪になることはありません。
日々足を観察し、爪周辺がおかしいな?と思ったら、思い当たる原因をチェックしてみてください。エクササイズなどの対応策もきちんとあります。少なくとも「加齢だから」などと諦める必要はありません。
巻き爪にならないに越したことはないので、いま巻き爪でない方にも知っていただければ幸いです。(山田)

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当店では クリップオン® の巻き爪補整技術を導入し、施術を行っております。確かな補正力と見た目の美しさが特徴です。
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